【急騰】今買えばいい株8208【煽り】 [無断転載禁止]©2ch.net

レス数が1000を超えています。これ以上書き込みはできません。
実況はコチラへ
市況1板
http://hayabusa3.2ch.net/livemarket1/

・証券コード、銘柄名を併記してください。
・判断材料をできるだけ明確にお願いします。
・注目銘柄の事実に基づいた情報共有が目的なので、単なる買い煽りや自慰行為は控えてください。

*コテハンを付ける方は投資一般板やみんかぶ、ブログやツイッターを強く推奨しています。
*ブログの宣伝行為、スレの私物化は控えてください。
*コテハンなどの話は別のスレでお願いします。


●風説、店板、インサイダーなどの通報はこちら
証券取引等監視委員会 情報提供窓口 
https://www.fsa.go.jp/sesc/watch/index.html

〇2ちゃんねる初心者の方は必ず使用上のお約束をお読みください。
http://info.2ch.net/guide/faq.html#B0

避難所
http://jbbs.shitaraba.net/business/5380/

●次スレは原則>>700が立てること。
※スレ番が正しいか確認してから立てること
※700がスレ立てできないことが分かった時点、或いは800以降次スレがなければ有志が立てること
 (乱立防止のためスレ立て宣言推奨)
※スレタイに特定の銘柄名をつけるのはやめましょう。トラブルの原因です。
※スレタイの先頭には【急騰】を、途中には通し番号をつけるのをお忘れなく。

【急騰】今買えばいい株8207【スレ番調整】 [無断転載禁止]©2ch.net
http://egg.2ch.net/test/read.cgi/stock/1498526831/
VIPQ2_EXTDAT: checked:vvvvv:1000:512:----: EXT was configured

952山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:45:10.48ID:VifbPeJN0
知った人を一人ももたない私も、こういう賑にぎやかな景色の中に裹つつまれて、砂の上に寝ねそべって
みたり、膝頭ひざがしらを波に打たしてそこいらを跳はね廻まわるのは愉快であった。
 私は実に先生をこの雑沓ざっとうの間あいだに見付け出したのである。その時海岸には掛茶屋かけぢゃ

953山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:45:26.50ID:VifbPeJN0
やが二軒あった。私はふとした機会はずみからその一軒の方に行き慣なれていた。長谷辺はせへんに大き
な別荘を構えている人と違って、各自めいめいに専有の着換場きがえばを拵こしらえていないここいらの
避暑客には、ぜひともこうした共同着換所といった風ふうなものが必要なのであった。彼らはここで茶を

954山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:45:42.50ID:VifbPeJN0
飲み、ここで休息する外ほかに、ここで海水着を洗濯させたり、ここで鹹しおはゆい身体からだを清めた
り、ここへ帽子や傘かさを預けたりするのである。海水着を持たない私にも持物を盗まれる恐れはあった
ので、私は海へはいるたびにその茶屋へ一切いっさいを脱ぬぎ棄すてる事にしていた。

955山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:45:58.50ID:VifbPeJN0

956山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:46:14.50ID:VifbPeJN0
 私わたくしがその掛茶屋で先生を見た時は、先生がちょうど着物を脱いでこれから海へ入ろうとすると
ころであった。私はその時反対に濡ぬれた身体からだを風に吹かして水から上がって来た。二人の間あい
だには目を遮さえぎる幾多の黒い頭が動いていた。特別の事情のない限り、私はついに先生を見逃したか

957山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:46:30.52ID:VifbPeJN0
も知れなかった。それほど浜辺が混雑し、それほど私の頭が放漫ほうまんであったにもかかわらず、私が
すぐ先生を見付け出したのは、先生が一人の西洋人を伴つれていたからである。
 その西洋人の優れて白い皮膚の色が、掛茶屋へ入るや否いなや、すぐ私の注意を惹ひいた。純粋の日本

958山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:46:46.49ID:VifbPeJN0
の浴衣ゆかたを着ていた彼は、それを床几しょうぎの上にすぽりと放ほうり出したまま、腕組みをして海
の方を向いて立っていた。彼は我々の穿はく猿股さるまた一つの外ほか何物も肌に着けていなかった。私
にはそれが第一不思議だった。私はその二日前に由井ゆいが浜はままで行って、砂の上にしゃがみながら

959山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:47:02.53ID:VifbPeJN0
、長い間西洋人の海へ入る様子を眺ながめていた。私の尻しりをおろした所は少し小高い丘の上で、その
すぐ傍わきがホテルの裏口になっていたので、私の凝じっとしている間あいだに、大分だいぶ多くの男が
塩を浴びに出て来たが、いずれも胴と腕と股ももは出していなかった。女は殊更ことさら肉を隠しがちで

960山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:47:18.49ID:VifbPeJN0
あった。大抵は頭に護謨製ゴムせいの頭巾ずきんを被かぶって、海老茶えびちゃや紺こんや藍あいの色を
波間に浮かしていた。そういう有様を目撃したばかりの私の眼めには、猿股一つで済まして皆みんなの前
に立っているこの西洋人がいかにも珍しく見えた。

961山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:47:34.53ID:VifbPeJN0
 彼はやがて自分の傍わきを顧みて、そこにこごんでいる日本人に、一言ひとこと二言ふたこと何なにか
いった。その日本人は砂の上に落ちた手拭てぬぐいを拾い上げているところであったが、それを取り上げ
るや否や、すぐ頭を包んで、海の方へ歩き出した。その人がすなわち先生であった。

962山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:47:50.50ID:VifbPeJN0
 私は単に好奇心のために、並んで浜辺を下りて行く二人の後姿うしろすがたを見守っていた。すると彼
らは真直まっすぐに波の中に足を踏み込んだ。そうして遠浅とおあさの磯近いそちかくにわいわい騒いで
いる多人数たにんずの間あいだを通り抜けて、比較的広々した所へ来ると、二人とも泳ぎ出した。彼らの

963山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:48:06.54ID:VifbPeJN0
頭が小さく見えるまで沖の方へ向いて行った。それから引き返してまた一直線に浜辺まで戻って来た。掛
茶屋へ帰ると、井戸の水も浴びずに、すぐ身体からだを拭ふいて着物を着て、さっさとどこへか行ってし
まった。

964山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:48:22.51ID:VifbPeJN0
 彼らの出て行った後あと、私はやはり元の床几しょうぎに腰をおろして烟草タバコを吹かしていた。そ
の時私はぽかんとしながら先生の事を考えた。どうもどこかで見た事のある顔のように思われてならなか
った。しかしどうしてもいつどこで会った人か想おもい出せずにしまった。

965山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:48:38.55ID:VifbPeJN0
 その時の私は屈托くったくがないというよりむしろ無聊ぶりょうに苦しんでいた。それで翌日あくるひ
もまた先生に会った時刻を見計らって、わざわざ掛茶屋かけぢゃやまで出かけてみた。すると西洋人は来
ないで先生一人麦藁帽むぎわらぼうを被かぶってやって来た。先生は眼鏡めがねをとって台の上に置いて

966山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:48:54.67ID:VifbPeJN0
、すぐ手拭てぬぐいで頭を包んで、すたすた浜を下りて行った。先生が昨日きのうのように騒がしい浴客
よくかくの中を通り抜けて、一人で泳ぎ出した時、私は急にその後あとが追い掛けたくなった。私は浅い
水を頭の上まで跳はねかして相当の深さの所まで来て、そこから先生を目標めじるしに抜手ぬきでを切っ

967山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:49:10.58ID:VifbPeJN0
た。すると先生は昨日と違って、一種の弧線こせんを描えがいて、妙な方向から岸の方へ帰り始めた。そ
れで私の目的はついに達せられなかった。私が陸おかへ上がって雫しずくの垂れる手を振りながら掛茶屋
に入ると、先生はもうちゃんと着物を着て入れ違いに外へ出て行った。

968山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:49:26.62ID:VifbPeJN0

969山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:49:42.59ID:VifbPeJN0
 私わたくしは次の日も同じ時刻に浜へ行って先生の顔を見た。その次の日にもまた同じ事を繰り返した
。けれども物をいい掛ける機会も、挨拶あいさつをする場合も、二人の間には起らなかった。その上先生
の態度はむしろ非社交的であった。一定の時刻に超然として来て、また超然と帰って行った。周囲がいく

970山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:49:58.65ID:VifbPeJN0
ら賑にぎやかでも、それにはほとんど注意を払う様子が見えなかった。最初いっしょに来た西洋人はその
後ごまるで姿を見せなかった。先生はいつでも一人であった。
 或ある時先生が例の通りさっさと海から上がって来て、いつもの場所に脱ぬぎ棄すてた浴衣ゆかたを着

971山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:50:14.55ID:VifbPeJN0
ようとすると、どうした訳か、その浴衣に砂がいっぱい着いていた。先生はそれを落すために、後ろ向き
になって、浴衣を二、三度振ふるった。すると着物の下に置いてあった眼鏡が板の隙間すきまから下へ落
ちた。先生は白絣しろがすりの上へ兵児帯へこおびを締めてから、眼鏡の失なくなったのに気が付いたと

972山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:50:30.72ID:VifbPeJN0
見えて、急にそこいらを探し始めた。私はすぐ腰掛こしかけの下へ首と手を突ッ込んで眼鏡を拾い出した
。先生は有難うといって、それを私の手から受け取った。
 次の日私は先生の後あとにつづいて海へ飛び込んだ。そうして先生といっしょの方角に泳いで行った。

973山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:50:46.59ID:VifbPeJN0
二丁ちょうほど沖へ出ると、先生は後ろを振り返って私に話し掛けた。広い蒼あおい海の表面に浮いてい
るものは、その近所に私ら二人より外ほかになかった。そうして強い太陽の光が、眼の届く限り水と山と
を照らしていた。私は自由と歓喜に充みちた筋肉を動かして海の中で躍おどり狂った。先生はまたぱたり

974山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:51:02.74ID:VifbPeJN0
と手足の運動を已やめて仰向けになったまま浪なみの上に寝た。私もその真似まねをした。青空の色がぎ
らぎらと眼を射るように痛烈な色を私の顔に投げ付けた。「愉快ですね」と私は大きな声を出した。
 しばらくして海の中で起き上がるように姿勢を改めた先生は、「もう帰りませんか」といって私を促し

975山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:51:18.72ID:VifbPeJN0
た。比較的強い体質をもった私は、もっと海の中で遊んでいたかった。しかし先生から誘われた時、私は
すぐ「ええ帰りましょう」と快く答えた。そうして二人でまた元の路みちを浜辺へ引き返した。
 私はこれから先生と懇意になった。しかし先生がどこにいるかはまだ知らなかった。

976山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:51:34.64ID:VifbPeJN0
 それから中なか二日おいてちょうど三日目の午後だったと思う。先生と掛茶屋かけぢゃやで出会った時
、先生は突然私に向かって、「君はまだ大分だいぶ長くここにいるつもりですか」と聞いた。考えのない
私はこういう問いに答えるだけの用意を頭の中に蓄えていなかった。それで「どうだか分りません」と答

977山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:51:50.63ID:VifbPeJN0
えた。しかしにやにや笑っている先生の顔を見た時、私は急に極きまりが悪くなった。「先生は?」と聞
き返さずにはいられなかった。これが私の口を出た先生という言葉の始まりである。
 私はその晩先生の宿を尋ねた。宿といっても普通の旅館と違って、広い寺の境内けいだいにある別荘の

978山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:52:06.79ID:VifbPeJN0
ような建物であった。そこに住んでいる人の先生の家族でない事も解わかった。私が先生先生と呼び掛け
るので、先生は苦笑いをした。私はそれが年長者に対する私の口癖くちくせだといって弁解した。私はこ
の間の西洋人の事を聞いてみた。先生は彼の風変りのところや、もう鎌倉かまくらにいない事や、色々の

979山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:52:22.66ID:VifbPeJN0
話をした末、日本人にさえあまり交際つきあいをもたないのに、そういう外国人と近付ちかづきになった
のは不思議だといったりした。私は最後に先生に向かって、どこかで先生を見たように思うけれども、ど
うしても思い出せないといった。若い私はその時暗あんに相手も私と同じような感じを持っていはしまい

980山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:52:38.84ID:VifbPeJN0
かと疑った。そうして腹の中で先生の返事を予期してかかった。ところが先生はしばらく沈吟ちんぎんし
たあとで、「どうも君の顔には見覚みおぼえがありませんね。人違いじゃないですか」といったので私は
変に一種の失望を感じた。

981山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:52:54.71ID:VifbPeJN0

982山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:53:10.75ID:VifbPeJN0
 私わたくしは月の末に東京へ帰った。先生の避暑地を引き上げたのはそれよりずっと前であった。私は
先生と別れる時に、「これから折々お宅たくへ伺っても宜よござんすか」と聞いた。先生は単簡たんかん
にただ「ええいらっしゃい」といっただけであった。その時分の私は先生とよほど懇意になったつもりで

983山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:53:26.74ID:VifbPeJN0
いたので、先生からもう少し濃こまやかな言葉を予期して掛かかったのである。それでこの物足りない返
事が少し私の自信を傷いためた。
 私はこういう事でよく先生から失望させられた。先生はそれに気が付いているようでもあり、また全く

984山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:53:42.70ID:VifbPeJN0
気が付かないようでもあった。私はまた軽微な失望を繰り返しながら、それがために先生から離れて行く
気にはなれなかった。むしろそれとは反対で、不安に揺うごかされるたびに、もっと前へ進みたくなった
。もっと前へ進めば、私の予期するあるものが、いつか眼の前に満足に現われて来るだろうと思った。私

985山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:53:58.74ID:VifbPeJN0
は若かった。けれどもすべての人間に対して、若い血がこう素直に働こうとは思わなかった。私はなぜ先
生に対してだけこんな心持が起るのか解わからなかった。それが先生の亡くなった今日こんにちになって
、始めて解って来た。先生は始めから私を嫌っていたのではなかったのである。先生が私に示した時々の

986山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:54:14.75ID:VifbPeJN0
素気そっけない挨拶あいさつや冷淡に見える動作は、私を遠ざけようとする不快の表現ではなかったので
ある。傷いたましい先生は、自分に近づこうとする人間に、近づくほどの価値のないものだから止よせと
いう警告を与えたのである。他ひとの懐かしみに応じない先生は、他ひとを軽蔑けいべつする前に、まず

987山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:54:30.75ID:VifbPeJN0
自分を軽蔑していたものとみえる。
 私は無論先生を訪ねるつもりで東京へ帰って来た。帰ってから授業の始まるまでにはまだ二週間の日数
ひかずがあるので、そのうちに一度行っておこうと思った。しかし帰って二日三日と経たつうちに、鎌倉

988山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:54:46.81ID:VifbPeJN0
かまくらにいた時の気分が段々薄くなって来た。そうしてその上に彩いろどられる大都会の空気が、記憶
の復活に伴う強い刺戟しげきと共に、濃く私の心を染め付けた。私は往来で学生の顔を見るたびに新しい
学年に対する希望と緊張とを感じた。私はしばらく先生の事を忘れた。

989山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:55:02.71ID:VifbPeJN0
 授業が始まって、一カ月ばかりすると私の心に、また一種の弛たるみができてきた。私は何だか不足な
顔をして往来を歩き始めた。物欲しそうに自分の室へやの中を見廻みまわした。私の頭には再び先生の顔
が浮いて出た。私はまた先生に会いたくなった。

990山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:55:18.83ID:VifbPeJN0
 始めて先生の宅うちを訪ねた時、先生は留守であった。二度目に行ったのは次の日曜だと覚えている。
晴れた空が身に沁しみ込むように感ぜられる好いい日和ひよりであった。その日も先生は留守であった。
鎌倉にいた時、私は先生自身の口から、いつでも大抵たいてい宅にいるという事を聞いた。むしろ外出嫌

991山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:55:34.78ID:VifbPeJN0
いだという事も聞いた。二度来て二度とも会えなかった私は、その言葉を思い出して、理由わけもない不
満をどこかに感じた。私はすぐ玄関先を去らなかった。下女げじょの顔を見て少し躊躇ちゅうちょしてそ
こに立っていた。この前名刺を取り次いだ記憶のある下女は、私を待たしておいてまた内うちへはいった

992山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:55:50.74ID:VifbPeJN0
。すると奥さんらしい人が代って出て来た。美しい奥さんであった。
 私はその人から鄭寧ていねいに先生の出先を教えられた。先生は例月その日になると雑司ヶ谷ぞうしが
やの墓地にある或ある仏へ花を手向たむけに行く習慣なのだそうである。「たった今出たばかりで、十分

993山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:56:06.76ID:VifbPeJN0
になるか、ならないかでございます」と奥さんは気の毒そうにいってくれた。私は会釈えしゃくして外へ
出た。賑にぎやかな町の方へ一丁ちょうほど歩くと、私も散歩がてら雑司ヶ谷へ行ってみる気になった。
先生に会えるか会えないかという好奇心も動いた。それですぐ踵きびすを回めぐらした。

994山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:56:22.76ID:VifbPeJN0

995山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:56:38.84ID:VifbPeJN0
 私わたくしは墓地の手前にある苗畠なえばたけの左側からはいって、両方に楓かえでを植え付けた広い
道を奥の方へ進んで行った。するとその端はずれに見える茶店ちゃみせの中から先生らしい人がふいと出
て来た。私はその人の眼鏡めがねの縁ふちが日に光るまで近く寄って行った。そうして出し抜けに「先生

996山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:56:54.89ID:VifbPeJN0
」と大きな声を掛けた。先生は突然立ち留まって私の顔を見た。
「どうして……、どうして……」
 先生は同じ言葉を二遍へん繰り返した。その言葉は森閑しんかんとした昼の中うちに異様な調子をもっ

997山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:57:10.79ID:VifbPeJN0
て繰り返された。私は急に何とも応こたえられなくなった。
「私の後あとを跟つけて来たのですか。どうして……」
 先生の態度はむしろ落ち付いていた。声はむしろ沈んでいた。けれどもその表情の中うちには判然はっ

998山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:57:26.77ID:VifbPeJN0
きりいえないような一種の曇りがあった。
 私は私がどうしてここへ来たかを先生に話した。
「誰だれの墓へ参りに行ったか、妻さいがその人の名をいいましたか」

999山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:57:42.82ID:VifbPeJN0
「いいえ、そんな事は何もおっしゃいません」
「そうですか。――そう、それはいうはずがありませんね、始めて会ったあなたに。いう必要がないんだ
から」

1000山師さん (ワッチョイ 1e94-bg3D)2017/09/22(金) 08:57:58.77ID:VifbPeJN0
 先生はようやく得心とくしんしたらしい様子であった。しかし私にはその意味がまるで解わからなかっ
た。
 先生と私は通りへ出ようとして墓の間を抜けた。依撒伯拉何々イサベラなになにの墓だの、神僕しんぼ

10011001Over 1000Thread
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
life time: 86日 22時間 22分 59秒

10021002Over 1000Thread
2ちゃんねるの運営はプレミアム会員の皆さまに支えられています。
運営にご協力お願いいたします。


───────────────────
《プレミアム会員の主な特典》
★ 2ちゃんねる専用ブラウザからの広告除去
★ 2ちゃんねるの過去ログを取得
★ 書き込み規制の緩和
───────────────────

会員登録には個人情報は一切必要ありません。
月300円から匿名でご購入いただけます。

▼ プレミアム会員登録はこちら ▼
https://premium.2ch.net/

▼ 浪人ログインはこちら ▼
https://login.2ch.net/login.php

レス数が1000を超えています。これ以上書き込みはできません。